プロジェクト事例

地域の特性に寄り添い、人々に長く愛される建築を生み出す、基設計の設計事例をご紹介します。

新潟駅万代広場

新潟駅万代広場

2026年2月現在、新潟市中央区花園で、利便性と快適性を兼ね備えた駅前空間として、新潟駅前の新たな拠点「万代広場」の整備が進められています。

担当者
プロフィール

桜井 丈也

桜井 丈也

設計室

基本設計・実施設計の建築意匠を担当。構造・設備設計との調整・検討を実施。
現在は現場監理を行っている。

新潟駅前に、新しい「都市の庭」をつくる

新潟駅万代広場の整備プロジェクトでは、人・交通・自然が気持ちよくつながる「都市の庭」コンセプトとしました。

新潟の象徴である大河や潟のイメージを、流れるようなシェルターの形で表現し、「水都新潟」を感じられる景観を演出。さらに、歴史や土地の記憶を受け継ぎ、緑あふれる里山を表現することで、新潟の豊かな自然を象徴する「都市の庭」を創出しています。

また、時間の経過とともに新たな「新潟らしさ」を育んでいける空間づくりを目指し、イベント空間としての活用も想定した設計を行いました。

桜井 丈也

都市の将来を見据えた計画に挑む

当プロジェクトは、新潟駅の顔となる空間として、将来のまちづくりを見据えた計画が求められました。交通の要衝である新潟駅では、周辺の交通動線や人の流れ、周辺施設とのつながりに配慮し、利便性と快適性の両立を図ることが求められるからです。

そのため、設計段階では構造・設備・土木など多方面との協議や検討を重ね、意匠的な魅力と機能性の両立に注力しました。

現在は現場監理を担当しており、駅を利用しながら工事を進めるため、安全確保や仮設計画など、細やかな調整が欠かせません。多くの関係者と連携しながら、完成に向けて日々着実に取り組んでいます。

永く愛される駅前空間を目指して

新潟駅万代広場は、新潟駅の顔として、駅を利用する方はもちろん、市民や観光客など多様な人々が集い、交流できる拠点となることを目指しています。

そのため、駅前という限られた空間の中で、歩行者の安全性や快適な動線、周囲の景観との調和を重視し、誰もが安心して心地よく過ごせる空間の創出に取り組んでいます。

今後は、周辺エリアとの一体的なまちづくりも視野に入れながら、将来にわたって愛され続ける駅前広場となるよう、その思いを胸に、残りの工事監理にも全力で取り組んでいます。

新潟駅万代広場

実績概要

住所 新潟市
面積 391㎡
構造 S造
階数 1
竣工年月 2024.3

道の駅あがの

道の駅あがの

阿賀野市下黒瀬・窪川原地内に建設された「道の駅あがの」。地域の魅力を発信し、買い物や交流、憩いの場としてにぎわいを生み出す拠点となることを目指し、設計されました。

担当者
プロフィール

小屋 公治

小屋 公治

設計室

建築意匠として基本設計・実施設計を担当するほか、意匠担当の主任技術者として工事監理を行い、建物全体の調整に取り組んでいる。

地域の魅力を発信し、人と自然がつながる道の駅に

阿賀野市下黒瀬および窪川原地内で実施された「道の駅あがの」建設プロジェクトでは、阿賀野市の魅力を中心に、「いやし」「にぎわい」「まもり」を発信することをコンセプトに設計を進めました。訪れる人に安らぎを与え、地域のにぎわいを生み出すとともに、五頭連峰や田園風景など周囲の自然を眺望として取り込み、阿賀野らしい開放的な空間づくりを目指しています。

施設には、農産物直売所や物産販売所、地場産品、特産品の魅力のPRスペース、飲食スペース、子ども向け屋内休憩所など、多様な機能を備え、多目的に活用できるよう計画しました。利用者と出品者の双方にとって使いやすいよう、動線やレイアウトにも配慮しています。

小屋 公治

また、建物の中央には、駐車場から芝生広場へ通り抜けできる屋根付きの広場を設け、来訪者を迎え入れるとともに、人が自然と集まる「にぎわいの空間」を創出。屋内外に視線の抜けをつくることで、広がりのある眺望と開放感を感じられる設計としました。

計画から完成まで、一貫して参画

プロポーザル提案から実施設計、工事監理まで一連のプロジェクトに携わる機会を得ることができました。

初期段階では施主の要望を的確に把握し、コンセプトをまとめて提案書を作成するなど、計画の方向性を形づくる重要な役割を担いました。

その後、実施設計では意匠の整合や機能性・法的条件を踏まえた詳細検討を行い、工事監理では設計意図を確実に実現するための確認や調整を行いました。

計画から完成まで一貫して関わることで、建築の全体像を深く理解し、設計者としての責任と達成感を強く感じる貴重な経験となりました。

建物が“息づいた”瞬間がそこにあった

竣工当初は、まだ什器や備品が搬入されていない状態で、完成した建物を静かな空間として見ていました。

しかし、実際に運用が始まり、多くの人々が利用する様子を目の当たりにしたとき、空間に活気と賑わいが生まれ、建物が本当の意味で“息づいた”瞬間を感じました。

自分が携わった設計が人々の暮らしや活動の場として機能し、笑顔や交流が生まれている光景を見たとき、建築の力と仕事の意義を改めて実感し、大きな喜びとやりがいを感じました。

道の駅あがの

実績概要

住所 阿賀野市窪川原553-2
面積 1,551㎡
構造 SW造(鉄骨・木造)
階数 1
竣工年月 2023.5

佐渡市防災拠点庁舎

佐渡市防災拠点庁舎

佐渡市千種に完成した「佐渡市防災拠点庁舎」は、市民が安心して利用できる行政機能と、災害時に地域を支える防災拠点の役割を併せ持つ庁舎です。

担当者
プロフィール

捧 太一

捧 太一

設計室

意匠主任として、基本設計の見直し業務、実施設計を担当。諸室の配置、内外装の検討など、建物全体の設計調整を行なった。

市民に開かれ、災害にも強い。新たな庁舎づくりへの挑戦

佐渡市役所庁舎の設計では、「市民に開かれた利便性の高い庁舎」と「防災拠点としての機能」の両立を目指しました。

日常利用においては、市民が訪れやすく使いやすい空間づくりを重視。利用者の多い窓口部門を1階に集約し、ワンストップで手続きが完結する動線計画としました。広々とした待機スペースや、わかりやすく配置されたカウンターにより、来庁者が安心して利用できる環境を整えています。

防災拠点としては、大地震時にも行政機能が維持できるよう、天井落下を防ぐ天井レス構造を採用。市長室・副市長室・防災危機管理スペースを同一フロアに配置し、災害時に迅速な連携が取れるよう計画しました。

捧 太一

外観は、市民に安心感と親しみを与えるシンプルで品格あるデザインとし、水平に伸びる庇や日射抑制ルーバーを特徴としています。特にルーバーには佐渡産アテビ材を使用し、地域の風土を建築に取り入れました。

また、周囲の自然環境との調和を図るため、上層階をセットバックさせ、近隣への影響を最小限に抑えました。議場部分の屋根は、地域の山並みに溶け込むスカイラインを意識した形状とし、景観に調和するデザインとしています。

さらに、省エネルギーと環境性能にも配慮し、ZEB Ready(ゼロエネルギービル)評価を取得。佐渡の豊かな自然環境との調和を図りながら、持続可能な公共建築のあり方を追求しました。

専門分野を超えた連携

「市民に開かれた」「安心・安全」「環境にやさしい」という三つの基本方針をもとに設計を進めました。

特に印象に残っているのは、地元産のアテビ材を活用した日射抑制ルーバーの検討です。現地の職人や行政担当者と何度も意見交換を行い、機能性と地域性を両立するデザインを探りました。

また、災害時にも業務が止まらないよう、天井レス構造や防災機能の配置にも細心の注意を払い、専門分野を超えてチーム全体で検討を重ねました。

市民の姿から実感した、「開かれた庁舎」

実際に多くの市民の方々が訪れている様子を見たとき、「開かれた庁舎」という設計方針が形になったことを実感しました。

明るい待合スペースで談笑する利用者や、ワンストップで手続きを済ませる高齢の方の姿を目にし、建築が人の行動や気持ちをやわらかく支える存在になれることを改めて感じました。

災害時にも機能し、平常時は市民が安心して集える場として、この庁舎が地域の暮らしを支え続けて欲しいと思います。

佐渡市防災拠点庁舎

実績概要

住所 佐渡市千種232
面積 5,397㎡
構造 RC造(鉄筋コンクリート)
階数 3
竣工年月 2023.11